保育園入園前夜

いつものように延々と終わりが来ない残業に見切りをつけて、妻に電話をかけた。

明日は息子くんの保育園入園式。

幼保、小学校、中学校、高校と大学、そうしてその先。親と子どもだけの限られた彼の世界は、すこしずつ、拡がる。

相反する速度感の毎日からひとつ、ステージは進む。

健やかな成長は何にも代え難い。それでも、もっとゆっくり時間が流れて欲しい。

保育園に預けて良かったと感じる日も来るかも知れないけれど、この小さな漣をいつか思い出したい。